患者さんを良くしていくには?
臨床・現場で働くセラピストとして考えることは、いかに患者さんを良くしていくか、ということだと思います。では、患者さんを良くする、つまり、リハビリの治療の効果にはどのようなことが必要でしょうか?
臨床における治療の効果は、リハビリの ”質 × 量”です。質のあるリハビリを量こなすことで患者さんは良くなっていきます。”リハビリの質”と”リハビリの量”、の両方が必要です。
具体的には、
・リハビリの質=実際に介入するときの考え方や技術
・リハビリの量=実際に介入する回数や頻度
また、これは ”質 × 量”のように掛け算で成り立ちます。繰り返しになりますが、質のあるリハビリを量こなすことで患者さんは良くなるので、質の低いものを量こなしても効果は上がりませんし、いくら質が高くても量をこなせないと意味がありません。
時代もリハビリの”質 × 量”に向かっている
一昨年から回復期病棟では、アウトカム評価(=実績指数)と呼ばれる”結果”が求められるようになりました。これは、”質”が問われるようになってきたということです。
その計算方法は、
実績指数=FIMの伸びた点数 ÷ 在院日数
簡単に説明すると、
結果を出すには、”日常生活の自立度を上げるか、在院日数を減らすか”、となります
なので、より”リハビリの質”を上げて、結果を出すことによって、患者さんの自立度を上げるか、在院日数を減らすかしましょう、というメッセージが含まれています。
また、そもそも”リハビリの量”に関しては、1日9単位まで算定可能でしたので、確保されていたと言えます。なので、時代は、確実に”質 × 量”に向かっています。”質 × 量”によって、確実な結果を残せということです。
結局、答えはシンプル。質 × 量 × 知識。
そして、臨床での経験だけでなく、セラピストの”知識”の積み重ねも必要で、知識があることによって、臨床の質の部分を高めることができます。
知識を高めることによって、質を高めることができる。つまり、”(治療の質 × 治療の量) × 知識” の3要素が揃うことによって、患者さんの治療効果を高めることができるのです。どれかが0では、結果=0になってしまいます。
そこで、私たちは、色々な治療方法の本質を理解して、吸収し、臨床の質につなげる。そして、よりよい治療方法を提供していく必要があります。すごく、シンプルなことだと思います。
次回は、質を高めるための考え方(=編集という視点)について話したいと思います。
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