【本編1】リハビリ編集室:臨床にこだわるセラピストのためのブログ

 臨床のセラピストは今何を考えているのか?

 私がセラピストになって臨床に出て、10年以上経ちます。その間はほぼ回復期病棟で多くの患者さんの治療をしてきました。長い臨床経験の中で、一番頭を悩ませ、そして一番考えて治療してきたのが、”脳卒中片麻痺の治療”です。

 ”片麻痺の治療”。多くの臨床のセラピストは頭を悩ませながら、日々の業務を送っているのではないでしょうか。私も長い間そのような状態だったと思います。

 ただ、その悩む理由が、なんとなく分かってきました。それは、リハビリの業界が、この方法が正解であると言っていないからだと思います。このやり方が正しいので、患者さんにこの方法で治療してくださいとは、言っていません。

 若いセラピストは、”片麻痺の治療”について、聞く先輩、聞く先輩、別々のことを言われて頭が混乱したり、勉強会に行っても別々のことを言われて混乱したり…。どこで働いていても、よくあることではないでしょうか。

 でも、そこは、混乱して当然の理由があります。リハビリ業界全体で、やり方を統一させてはいないからです。だから、病院によってアプローチが違ったり、病院の中でも多くのアプローチが存在するのです。

 リハビリの治療の方向性はあるが…

 片麻痺の治療方法の正解は示していないものの、ある程度の方向性は示しています。”脳卒中治療ガイドライン”というものを知っていますか? ある程度勉強している方は知っているとは思いますが、脳卒中の治療方法をエビデンスによって示したものです。

 その中には、リハビリの内容も書いてあります。そして、この脳卒中治療ガイドラインによって、現在のリハビリの流れは、課題指向的な介入方法、具体的には長下肢装具による歩行や課題指向的なADL訓練といった治療方法が一般的になってきているのではないでしょうか。発症早期から歩行をさせ、積極的にADL訓練を行っていく…。

 ただ、片麻痺の治療にはその他に、ボバース認知運動療法(現在は認知神経リハビリテーション)といった治療方法があり、それらとの関係性は、あまりよく分かりにくい状態です。ここが、色々な先輩や色々な勉強会が別々のことを言って、私たちを混乱させている大きな原因です。

 本質を掴んで実践することが大切

 優しい先輩は必ずこう言います、”いいとこ取りをすればいい”、と。これは、私も強くそう思います。ただ、実際にどのように”いいとこ取り”をすればいいかは、みんな教えてくれませんし、そのような勉強会もないでしょう(私の知る限り)。

 私は、そこを何とか繋げて考えていきたいと思っています。色々な治療方法の本質を掴んで、実際の臨床に生かしていくこと”が何より大切だと思っているので、ブログの中で書いていきたいと思います。

 確かに、私自身が全てを分かったとは思っていませんが、今まで得た知識と臨床での実践によって考えてきた経験から、”臨床で実際に役に立つ”情報をこのブログで提供できると思っています。皆さんの臨床・現場での一助になったら嬉しいです。 

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