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落合陽一氏という人物
落合陽一氏という人を知っているでしょうか?世間では、日曜日のサンデージャポンに出ている、少し変わった大学の先生という印象でしょうか。ほんの数年前までは私もそう思っていました。しかし、昨年ホウドウキョクという番組の”Weekly Ochiai”という動画を見て、ガラッと印象が変わりました。
一言で言えば、彼は天才です。とにかく、あらゆるジャンルに深く詳しく、あらゆる問題に対して、鋭い意見を言います。ただ、鋭すぎて、こちらの理解が追いつかない時も多いです。テクノロジーが専門の学者ですが、できるだけ一般人にも理解できるように言い換えたりしてくれるので、徐々に理解できるようになります。
そんな彼の言葉は、リハビリの未来を考える上でも、確実に役に立ちます。未来の日本のことを提言している位ですから、当然、医療ないし、リハビリにも繋がってきます。”10年後の仕事図鑑”には、そのヒントが一杯あります。
まずはセラピストのマインドを変える
臨床のリハビリの問題として、多くセラピストが感じるのは、”なぜ一つの考え方から脱しきれないのか?”ということではないでしょうか。課題指向型アプローチ、ボバース、認知運動療法など、一つの考え方でとどまってしまって、なかなか発展的な会話ができない。
そこを打開するために、”各々の本質を掴んで、繋ぎあわせるように編集していこう”、というのがこのブログの”本編”の目的です。
では、一つの考え方から脱していくために、リハビリを一歩ずつ前に進めていくためにどのように考えればいいかを、考え直す必要があると思います。それについては、以下の言葉が非常に参考になります。
自分しかそれをやっていないけれど、それが正しいと信じ、競争することをやめる。もし、誰かが自分と同じようなことをしていたって、気にする必要はない。「先を越されたから」とか、「先を越されそうだ」ということを考えるクセは、根本からなくしたほうがいい。
ただ愚直に、そこから先に自分がどういう価値を足せるのかを考えるマインドセットでいけばいいだけだ。
出典元:10年後の仕事図鑑、p20
”競争するということをやめて、今あるものにどう価値を足していくか”、と考え方を変えることによって、少しづつ臨床は変わってくると思います。自分の正しさだけを主張して競争しないで、相手の正しさも受け入れながら、価値を少しづつ積み上げていく、というマインドに変える必要があります。
リハビリとテクノロジー
また、時代が進むことによって、テクノロジーも進化しますが、新しいテクノロジーも確実にリハビリにも入ってくるはずです。テクノロジー側から機器が臨床にどんどん入ってくることはあっても、臨床側からどのように受け入れていくか、という議論はあまり聞こえてきません。
テクノロジーに対する考え方に関しては、以下の言葉が非常にヒントになります。
くら寿司の”半人力・半機械”がこれからの最適解:
従来人がやっていたサービスの半分を機械がオートメーションで行ない、人間は機械と機械の間に入る調整役になっている。(中略)シャリを握るところまでは機械がやるが、その前の酢飯を作ったり、ネタをのせて軍艦にしたり、握りにしたり、巻物にしたりといった部分は、人間が担う。
出典元:10年後の仕事図鑑、p50
テクノロジーに対してネガティブな印象を持たずに、可能なことは取り入れていく。リハビリも、セラピストがやった方がいいことと、機械がやった方がいいことに分け、半分半分くらいで進むのがいいのではないでしょうか。それは、実際のリハビリの治療というよりも、装具や車椅子などの機器に関わってくるはずです。
また、脳卒中片麻痺とテクノロジーを考える時には、以下の言葉が非常にヒントになります。
テクノロジーが発達していけば、身体に関することはかなりの確率でコンピュータに補完されるようになる。たとえば足がない人には最先端の機能が搭載された義足が装着される。盲目の人は音で空間を把握できるようになり、耳が聞こえない人の目には字幕が映し出されるようになる。脳の機能補完のためのシステムを作ることができれば、認知症も解決できるかもしれない。そういった多様性のために我々はテクノロジーを用いている。
出典元:10年後の仕事図鑑、p246
この文に追加して、”脳卒中片麻痺の人は、~になる”をどのように考えることができるでしょうか?多様な症状の脳卒中片麻痺患者に、インプットとしてどのような情報を補完して、アウトプットとしてどのような身体機能面を補完してあげればいいでしょうか。
片麻痺と痙性は切り離せませんが、そこをどのようにテクノロジーで補完していくのか。ただロボットによるアウトプットの補完だけでは当然フィットしないと思います。また、高次脳機能障害がある場合も、どのように補完するか考える必要があります。
この本にはとても多くのヒントがあります。教科書を読むよりも、視界が開けることもあると思います。ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
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